特に投資初心者は、いま人気を集めている(資金の流入で純資産残高が増えている)投信に目がいきがちです。特定の投信に資金流入が集中する理由には、その投信が投資する市場環境や販売会社の方針、ルールや規制の変更などが考えられますが、問題なのは資金を集める“人気の投信”がどんどん変わっていくことです。
毎月分配型投信は現在では批判的な目で見られていますが、1990年代からずっと人気で、2009年ごろには高金利通貨による通貨選択型も登場しました。2000年前後のIT(情報技術)バブル期にはIT企業へ特化して投資する中小型株投信が、証券取引法が改正された2004年あたりにはラップ口座(ファンドラップ)が、人気となりました。
2017年の日本株投信は、珍しくインデックス型よりもアクティブ型の方が運用成績が好調なため資金が流入しました。そのほか幅広い資産に振り分けて投資するバランス型やファンドラップに改めて資金が集まっています。
このように、投資対象も運用方針が異なるざまざまな投信が人気を集めては、(回転売買で)衰退していく――。トレンドを見ながらの商品選びは難しいに決まっています。
これからどのような市場が成長し、どのような投信の運用成績が伸びるのか、その予想は金融の専門家でも難しいとされています。結論としては、老後資金を目的とした投信選びはトレンドを無視してかまいません。
国内外の株式インデックス投信に毎月積み立て
では、実際にどのようにして投信を選ぶのがいいでしょうか。