もう1つの特徴は、自動的なデータ収集とサービスへの反映である。ソフトウエアは車体の状態を定期的に自己点検し、そのデータをテスラモーターズに送る。ソフトウエアのアップデートで解決が可能な場合は即座に対応し、人による対応が必要となる場合はエンジニアを派遣して対応する。テスラモーターズはこのサービスを「いつでも、どこでも受けられる21世紀のサービス」と謳っている。

(4)バリューエクステンション型

 今までの(1)~(3)は、既存ビジネスや業務にIoTを活用して改善することで顧客満足を得るアプローチだったが、この「バリューエクステンション型」のアプローチは、既存ビジネスの強化ではなく、新たなビジネスモデルを構築し、そのビジネスモデルによって顧客を掴み、売上拡大を狙っていくものである。

 単に既存の製品やサービスの価値(バリュー)を顧客に提供するだけでなく、その製品やサービスを活用する「顧客のプロセス」に入りこみ、顧客が抱える悩み・困りごとの解決まで価値を拡大させるソリューションを提供する。つまり「エクステンション」とは、バリューを「顧客のプロセス全体まで拡げて」提供することを指す。

 そのためには、顧客プロセスにおける問題点を把握し、スマートプロダクトの活用やICT技術で顧客プロセスの情報をつなぐ「バリューエクステンションシステム」を設計することが必要になってくる。

 (2)の事例として挙げたコマツは、「KOMTRAX」のサービスをベースとしながら、「バリューエクステンション型」のアプローチも行っている。2015年2月よりサービス提供を開始した「スマートコンストラクション」である。

「スマートコンストラクション」では、測量から施工完成までの建設現場のあるあらゆる情報をICTでつなぐことで、作業工数およびコストの削減を実現する。また、あらゆるデータが人を介さず繋がっているので現場作業員による指示が必要なくなり、現場の安全性も向上する。