右派の偽善と大人の責任

 そのなかにはドナルド・トランプも含まれる。

 つい昨日まで保守派は多様性、公平性、そして包括性という3種類の政策と、大学に言論の自由がないことを誰よりも手厳しく批判していたのに、今ではその自由を打ち砕きたがっている。

 こんな方針転換は「偽善」と呼んでも物足りない。

 しかもそうした政治家たちの多くは、選挙の結果を覆そうと2021年1月6日に連邦議会議事堂を襲撃した暴徒らの恩赦を要求している。

 イスラエル問題についての立場はともかく、米国の若者たちはこうした振る舞いからどんなメッセージを受け取るだろうか。

 普通なら混乱してしまうだろう。もっとうまくやろうと決意する人もいるかもしれない。

 つまり学生デモへの対策とは、なぜこれほど多くの大人が道をひどく誤りうる状況になってしまったのか、冷静に考えることなのだ。

(文中敬称略)

By Edward Luce
 
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