階段のステップ幅が広めで、5段ごとに踊り場のようなスペースが設けられているので、思ったほど疲れない。ところどころに木のベンチも設置されている。

 半分近くまで上ったところで、後ろから近づくリズミカルな足音に気づき振り返った。

 小学生ぐらいの男の子が全速力で駆け上がってきて、あっという間に追い抜かれてしまった。楽しそうな様子で、ちょっとしたアトラクション感覚なのだろう。

 途中で写真を撮ったりしながらも、10分かからずに最上段にたどりつく。「462」と書かれた階段を踏みしめた時の達成感はなかなかだ。

 ちょうど上りきったところで、初老男性数人のご一行に声をかけられた。改札口の方から歩いてきたようで、下に降りるまでどのくらいかかるかを聞かれた。名物ホームのことをご存じだったのだろう。

 その後、10段ぐらい降りたところで記念撮影されていたので、下りホームまで下りるのはあきらめたようだ。また上ってくることを考えれば賢明な判断かもしれない。

上りきった先には連絡通路が

 階段を上りきった先は地上。自然光が差し込む連絡通路だ。湯檜曽(ゆびそ)川と国道291号の上を越えて駅舎方向につながっている。

 突き当たり中央に見える囲いは、風よけだ。列車通過時に下りホームから吹き上げる突風を避けるためのものだ。列車通過時の突風は、トンネル駅の大きな特徴だが、これだけ長い階段を風が吹き上げてくるというのもすごい。