天安門広場の習近平歴史は繰り返す

 異例の三期目に突入した中国の習近平政権。今年の全国人民代表大会(全人代)を経て明らかになったのは、習近平国家主席への権力集中だ。国務院法の改正によって中央政府である国務院の権限は縮小。政府は事実上、共産党中央委員会の傘下に位置付けられることになった。全人代の権威も失墜しており、中央政府や議会でさえ、習近平国家主席に付き従う機関に過ぎない。

 だが、習近平国家主席への権限集中が進めば進むほど、中国の未来を取り巻く霧は深く、濃くなっていく。鄧小平が集団指導体制を主導した背景には、大躍進政策と、その後の文化大革命などで混乱した毛沢東時代に対する反省があった。毛沢東時代に戻ったかのような今の中国は、果たしてどこに向かうのだろうか。(作画:田楽庵、文:蛙)

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【田楽庵】
フリーランスイラストレーター/漫画家。
東京都生まれ。武蔵野美術大学造形学部日本画学科卒業。別名義で週刊少年ジャンプ+(集英社)にて新人賞受賞・掲載歴あり。

【蛙】
編集者/ジャーナリスト
東京都生まれ。大手メディアで記者や編集者を歴任した後、独立。