中学校の入試会場に入る受験生。受験熱は過熱の一途(写真:共同通信社)

 正月も終わり、中学受験が本格化するシーズンに突入した。残された時間はわずか。とはいえ、焦ってはいけない。何を優先して勉強すべきか、親ができる最後のサポートとは何か。塾講師として3000人以上の指導経験を持ち、YouTube「にしむら先生 受験指導専門家」でおなじみの西村創氏(教育・受験指導専門家)に話を聞いた。(聞き手:関瑶子、ライター&ビデオクリエイター)

──まずは、受験直前まで、子ども自身が取り組むべきことについて教えてください。

西村創氏(以下、西村):週末など、1日まとめて時間がとれる日に、本番当日と同じスケジュールで、4科目、2科目受験の場合は2科目、連続で過去問を解いてみましょう。4科目の場合はお昼休憩も考慮に入れましょう。

 普段、過去問を解く時は1日1科目だったり、1科目やって数時間休憩して次の科目へとなりがちですよね。そうではなく、本番を意識して、リハーサルのようなかたちで過去問をやってみるといいですね。集中力も切れますし、かなり疲れると思います。でも、それに慣れておけば、本番は落ち着いて試験を受けることができるはずです。

 あとは時間配分。ちゃんと時計を見ながら過去問を解きましょう。「今、何分で大問2までいっているから大丈夫だ」「この時間で大問3では少しペースが遅い」というように、各科目での時間配分を感覚的につかんでおくといいですね。そのためにも、本番と同じように、通しで入試過去問をやることがまず大事だと思います。

──過去問を解いた後では、どのような勉強が必要でしょうか。

西村:学校にもよりますが、合格最低ラインはだいたい60点から80点。答え合わせをして、自分の点数と合格最低ラインのギャップを把握してください。

 合格最低ラインまであと5点10点足りないという場合は、その点数をどこで埋められるかを確認しましょう。ド忘れしてしまった、解答を見て「あ、これだったら解けたな」というようなところは重点的に復習してください。

 1問あたり、だいたい配点は5点。1科目で2問正解を増やせば、10点アップします。それを4科目すべてでやれば、40点アップです。

 40点あれば、不合格ラインから一気に合格ラインに浮上します。「ちょっと自信がないなぁ」と感じている時は、1科目あたり2問正解を増やすことを目標にしましょう。

──学習する科目の優先順位ですが、得意な科目と苦手な科目、どちらを優先すべきでしょうか。