米議事堂乱入事件で支持者を教唆した罪に問われているトランプ前大統領(2021年1月6日、写真:ロイター/アフロ)

有罪判決出れば支持率6%減

 2024年の米大統領選で再選を目指すジョー・バイデン現職大統領(80)の支持率が、勝敗を決する上で重要な6つの激戦州のうち5つの州で共和党のドナルド・トランプ前大統領(77)を下回っている。

 5つの州とは、ネバダ、ジョージア、アリゾナ、ミシガン、ペンシルべニア州だ。

 主流メディアのニューヨーク・タイムズ紙とシエナ大学が11月5日公表した世論調査の結果だ。

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 もっとも、2016年大統領選挙の1年前の世論調査では、ヒラリー・クリントン民主党大統領候補がトランプ氏に49%対39%と圧倒的多数でリードしていたにもかかわらず、本選挙では敗れた前例もある。

 世論調査は100%信頼できる「クリスタル・ボール」ではない。

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 しかも、同じ世論調査では、トランプ氏が刑事責任を問われて有罪判決を受けた場合にはいくつかの「スイングステート(揺れる州)」でトランプ氏の支持率が約6%低下するとの結果も出ている。

 現時点での世論調査結果は、あくまでもスナップショットに過ぎない。

 ただ一つ言えることは、大統領選を1年後に控え、米国民の中にあるバイデン氏の年齢に対する不安感や物価高騰への不満が現れたという点だ。

 バイデン陣営はこうした世論調査を見て、失業対策やインフレ対策よりも物価対策に重点を置いた政策転換に踏み切る構えを見せている。

 バイデン陣営はトランプ氏が抱える91件の刑事罰が問われる連邦・州裁判の行方に「期待」を寄せている。

「スイングステートでトランプ氏の支持率が約6%低下するとしたら、選挙(結果)を決定づけるのに十分となりうる数値」(同世論調査関係筋)であり、バイデン陣営にとっては「大きな糊しろ」(同筋)になる。