舞台稽古中の主役を務めるルジマトフ氏(Maxim Krivospitcki撮影、以下同じ)

 10月25日と26日の両日、東京都台東区の浅草公会堂で、舞台公演「日本舞踊の可能性vol.5」『信長-SAMURAI-』が行われる。

 バレエと日本舞踊を融合させた異色の舞台で、主役の織田信長を演じるのはロシアの伝説的なバレエダンサー、ファルフ・ルジマトフ氏。

 木下藤吉郎=豊臣秀吉を演じるのは、元ボリショイバレエ団ソリストの岩田守弘氏だ。

 そしてこの舞台の発案者で、信長に国を譲る齋藤道三と信長を裏切る明智光秀の二役を日本舞踊家の藤間蘭黄(ふじま・らんこう)氏が演じる。

バレエと日本舞踊が融合

 本番直前の今、ロシアからダンサーを呼んで、バレエと日本舞踊で一つの舞台を作るという破天荒とも思える挑戦の舞台裏に迫った。

 日本舞踊の名手で人間国宝だった祖母や、母から手ほどきを受け、古典芸能を継承してきた藤間さん。これまでに日本芸術院賞や紫綬褒章などを受けてきた。

 2010年、藤間さんは来日中のルジマトフ氏が踊った舞台「阿修羅」を観た。ルジマトフ氏のスター性、カリスマ性を目の当たりにし、織田信長のイメージが思い浮かんだ。

「ルジマトフが舞台中央に立って、四方にお囃子がいて、生演奏で踊ったらかっこいいだろうなと。頭の中で、クライマックスの本能寺のシーンがまざまざと浮かびました」

「ルジマトフは、国立小劇場に私の舞台を観に来てくれました。すると楽しんでくれて、ここで踊ってみたいと言うので、じゃあやりましょう、となったわけです」

 藤間さんは、バレエ部分の振付を「阿修羅」の振付家でもある岩田さんに依頼。