記者との口論

 しかし、2人にとっての災難は続いた。翌日の夕方、仲本は横浜の純歌のアパートから居酒屋の営業時間に合わせて目黒に戻り、車を降りて店に行こうとするところに、週刊新潮の記者が行く手を遮るように立ち塞がった。

 それは前日に純歌のアパートに詰問しにきた男女の記者だった。路上で記者は別居について質問してきた。

 仲本は、

「オレが了承しているんだからそんなのは問題にならないだろう」

 と返答したのだが、前日の純歌の時と同じように執拗に何度も訊いてくるので言い合いが始まった。男女問題を取材する週刊誌記者は、こうした場合、“切り札”になる証拠写真を示したりするものだが、前日の純歌の時にもこの日の仲本との取材の時にも、記者はそのような素振りは全く見せなかったという。

“証拠”もなくして「純歌に男ができたから別居しているんだろう」と突っ込んでも、当人たちに否定されれば普通はそれでお終いだ。それでも延々と質問を続ける記者に仲本は次第に腹を立てた。

 そのやり取りは、近所の住人たちには大声で喧嘩をしているように見えたようだ。110番通報され、警官5人が駆けつける大騒ぎとなった。そこで仲本は、路上での言い合いを避けるために記者たちを居酒屋の店内に招き入れて、そこで再び言い合いが始まってしまった。