9月13日、ロシア極東アムール地方のボストーチヌイ宇宙基地を訪れた北朝鮮の金正恩氏と握手するロシアのプーチン大統領(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

(舛添 要一:国際政治学者)

 金正恩は、9月13日、ロシアのアムール州にあるボストーチヌイにある宇宙基地を訪ね、プーチン大統領と首脳会談を行った。会談の前に、両首脳は基地を視察している。東方経済フォーラムが開かれたウラジオストクではなく、この宇宙基地で会談が行われたことに、今回の金正恩訪露の目的が見てとれる。

統一地方選挙も予想通り勝利

 9月10日、ロシアの統一地方選の開票が終わったが、「予想通り」、与党「統一ロシア」が圧勝した。プーチン側近のソビャーニン・モスクワ市長も圧勝し、3選を果たした。モスクワ州では現職知事のアンドレイ・ヴォロビヨフが再選した。統一ロシアは、候補者を立てた全ての州知事選で勝っている。

 また、ロシアが併合を宣言しているウクライナ東南部4州でも与党が勝利した。ロシアは、この結果をもって、支配の既成事実化を狙っている。

 独立系の選挙監視団体は、野党候補への妨害や電子投票の改竄など、様々な不正があったと指摘しているが、統一ロシアは選挙が公正に行われたと主張している。

 来年3月は大統領選挙である。プーチン出馬は確実だとされており、勝利に向けて態勢固めを盤石なものとしたい思惑である。

 そのためにも、苦戦が伝えられているウクライナ戦争での成果が必要である。