売却しても多額のローン残高が残ったら・・・

 では、離婚という事態が発生したとき、住まいをどうしたのかといえば、【グラフ4】のようになっている。


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 最も多かったのは、「住宅ローンの支払いをしているほうが住み続けている」が44.0%だった。たとえば、夫がそのまま住んでローンの返済を続け、妻には住まい以外の資産を分与する形で納得が得られれば、せっかく築いてきた資産を失わないで済むため、現実的な対応といえるかもしれない。

 ただ、高額のマンションは住宅ローン借入額も高額になり、どちらかだけの年収では返済していけなくなる可能性が高い。最近増えているパワーカップルによる“億ション”の購入には、そのリスクがさらに大きくなる。

 売却してローン残高をゼロにできれば、比較的解決は容易だが、売却しても残高が残る場合、どちらがどう負担していくのか、離婚を決めた相手との話し合いを続けなければならず、泥沼にはまり込むことになりかねない。

 その際の対応としては、売却したうえで資産を整理するのが一般的だろう。それもあって、離婚後の住まいをどうしたかの2位は「売却してローンを返済した」の23.4%、「ローンは完済していたので売却した」の12.9%と続いている。

 住宅ローンを完済していれば、売却して得た代金を話し合いで分け合うことが可能だろう。原則的には婚姻中に取得した財産は名義などには関係なく、夫婦それぞれに2分の1ずつの権利があるから、半分ずつにすればいいのだが、そこは、離婚の原因がどちらにあるのかなどによって分配方法にも違いが出てくるだろう。