恐らく、これらの無人機を尖閣などスクランブルの要求が高い空域に滞空させ、海上での領域警備と、空での領域警備を兼務させる構想なのでしょう。

 戦闘機など、接近してくる航空機が高速の目標に対しては、従来通り有人機による対応になると思われます。その場合でも、日本側の無人機が確実に尖閣上空に存在しているため、より高いレベルで実効支配していると言えます。

 尖閣が那覇基地から遠く、むしろ距離は中国の方が近いこともあり、尖閣上空の実効支配は徐々に怪しい状況になっています。

 尖閣の領有権に関して、中国が国際司法裁判所への提訴に同意しないのは、現状では日本が実効支配しているからです。上空を中国機が我が物顔で飛ぶ状況になれば、むしろ中国は提訴すべきだと言うでしょう。

 そのような日を迎えないため、無人機による対領空侵犯措置(スクランブル)は急務の施策なのです。