名目輸入の伸びに追いつかなかった名目輸出(写真:ロイター/アフロ)

(宮前 耕也:SMBC日興証券 日本担当シニアエコノミスト)

 2022年の貿易収支は▲20兆円へ迫る過去最大の赤字額を記録した(次のグラフ)。輸出額、輸入額とも過去最大を更新したが、輸入額の増加幅がかなり大きく、巨額の貿易赤字につながった。

 今後、巨額の貿易赤字はどうなるのであろうか。通関統計など2022年のデータから貿易赤字の背景を整理し、2023年の輸出入や収支を展望したい。


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名目輸入は2年連続で大幅に増加

 まずは増加幅がかなり大きかった輸入額の動向を振り返ってみよう。

 名目輸入は2020年に68兆円だったが、2年連続で増加し、2022年に118兆2000億円へ達した。2年間で約1.7倍も膨らんだことになる。これまでの過去最大は2014年に記録した85兆9000億円だったが、それを大きく超えた。

 名目輸入の増加率は2年連続でかなり大きく、2021年が前年比+24.8%、2022年が同+39.2%であった。両年とも数量面よりも価格面の変動が大きく、輸入デフレーターを試算すると、2021年は前年比+19.9%、2022年は同+33.5%に達している。


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 それでは、なぜ輸入デフレーターの大幅上昇が続いたのであろうか。