2月9日、韓国・ソウル駅のテレビスクリーンに映し出された金正恩総書記の表情(写真:AP/アフロ)

 2月8日夜、北朝鮮が朝鮮人民軍創設75周年に合わせて、大規模な軍事パレードを「革命の首都」平壌で挙行した。そこには、「火星17」と見られるICBM(大陸間弾道ミサイル)ばかりか、片側9輪の移動式発射台に搭載された固定燃料式と見られる新型ミサイルも登場した。

「わが軍隊のような英雄的な軍隊、愛国的な軍隊はこの世になく……」

 この軍事パレードに先立って、2月7日には金正恩(キム・ジョンウン)総書記が、朝鮮人民軍将校の宿舎を訪問。そこで開かれた朝鮮人民軍創建75周年記念祝賀会に参加し、「感動的なスピーチ」を行ったと、朝鮮中央通信や朝鮮労働党中央委員会機関紙『労働新聞』が伝えた。

 草稿全文はものすごく長いが、ごく短く要約すると、以下の通りだ。

「意義深いこの場に列席している英雄的な朝鮮人民軍の指揮官である将官たちよ! 今日は、わが軍隊の創建75周年に当たる日だ。軍隊創設の喚声を上げていたその日から、2万7395日、その長きにわたる闘争の道のり、栄光に輝く伝統と輝かしい勝利、燦然たる栄誉の叙事詩を綴ってきた人民軍の誇らしい年輪を振り返る時、百戦百勝の朝鮮革命のたくましい息吹きを守り、わが国の不抜さと強大さを支えるために献身した前世代の人民軍将兵の忘れられない名前と姿が思い浮かぶ。

 わが軍隊のような英雄的な軍隊、愛国的な軍隊、自己の偉業に忠実な軍隊はこの世になく、苦難に満ちた挑戦の中でも微動だにせず、朝鮮革命を防衛するために捧げていくその献身ぶりを知らない者はいない。常に苦労の多いわが人民軍将兵が、建軍節の今日だけでも、全人民の祝福の中で当然、堂々と、れっきとして自分たちの祝日を意義深く過ごすことを願う……」