9月13日、ニューヨークの米株式市場ではダウ工業株30種が急反落、前日比3.9%の1276ドル安をつけ、ハイテク大手ではメタ(旧フェイスブック)やエヌビディアで9%の下落率(https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN13DN20T10C22A9000000/)と報じられました。
背景には米連邦準備制度理事会(FRB)による大幅利上げがあり、ドル買いのため円の対ドル相場は144円台後半まで、およそ望ましからざる円安ドル高が進む局面も見られた。微妙な状況と思います。
さて、こうした人間界の事情と並行して、地球という天体にも急変が起きています。
米フォーブス誌は、2022年6月29日、地球の自転速度は24時間よりも1.59ミリ秒、24時間よりも短い、精密観測が始まって以来の「最短」を記録した(https://forbesjapan.com/articles/detail/49344/1/1/1)と報じました。
「地球の自転速度が1000分の1秒程度変わったからといって、私たちの生活に何の変化があるの?」
といった質問が出て当然でしょう。フォーブスの記事を書いているジェイミー・カーター記者も、触れ込みとしては「経験を積んだサイエンス・テクノロジー・ライター」(https://www.forbes.com/sites/jamiecartereurope/?sh=236f50421404)と称していますが、現象の背景を掘り下げた記述は見当たりません。
こうした傾向は決して最近のことではなく、特に2020年以降、地球の自転速度は急激に加速の一途をたどっていることが、すでに幾度も報じられて(https://www.businessinsider.jp/post-227741)います。
しかし後者の記事を書いているスージー・ネルソン氏もカリフォルニア大学バークレー校でジャーナリズムの教壇に立つレベルのライター(https://journalism.berkeley.edu/person/susie_neilson/)とのことですが、中身にはおよそ踏み込めていません。
また、こうした記事はもっぱら欧米発、日本国内の書き下ろしで一般向けにサイエンスの中身に踏み込んだ解説が書けるのは、小谷太郎氏執筆になるJBpressの記事など、ごく少数の例外にとどまり、翻訳すらしばしば怪しい状況にあります。
今回は「1日が短くなる」つまり「地球の自転速度が上がる」とはどういうことなのか、小学生にも分かるように解説してみましょう。
以下に示すのは、私も含め物理の背景を持つ者が好む「フェルミ算」オーダーエスティメーションという定性的な概算です。
より具体的に展開できる専門家がおられれば、ぜひ踏み込んだ検討を公開していただければと思います。