日本企業はデジタルトランスフォーメーション(DX)でどのように変われるのか――。
月極駐車場のDXという新しい分野を切り開いてきたハッチ・ワークの大竹啓裕会長が「DXの現場訪問」と題し、今話題となっている「企業経営者」にインタビューする新シリーズ。
今回は、定額で貸し会議室が使い放題になる『PFO(Personal Free Office)』を展開するKCC(愛知・名古屋)の阪口富左雄(さかぐち・ふさお)社長にインタビューしました。
前編では、一般ユーザーからみたPFOというサービスの特徴を中心にご紹介しましたが、後編では、コロナ禍で疲弊した貸し会議室業界を救うビジネスモデルがどのようにつくられたのか、ライバル企業が味方に変わるDXの仕組みについて解き明かしていきます。
前編はこちらから(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/70432)
コロナによる貸し会議室需要の消失
問 新型コロナウイルス感染症がきっかけと聞きましたが、コロナがいつまで続くのかを見極められず、多くの企業が対応に手間取りました。
この短期間に立ち上げられたポイントを教えてください。
答 PFOはコロナ対策として考えた事業か?とよく聞かれます。
実は「貸し会議室の空き部屋は、もったいない。何とか生かせないか」ということと「貸し会議室の会員制ビジネス」は以前から考えていました。
コロナが突然襲ってきて、貸し会議室業界は、セミナーや研修などが激減した影響をもろに受けました。
もちろん利用がなければ売り上げもゼロ。特に物件を借り上げて提供していた会社などは大打撃を受け、なかには廃業に追い込まれるところもありました。
そこで、以前から考えていた空き部屋と会員制とを合わせたビジネスモデルの企画を進めました。