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(馬 克我:日本在住中国人ライター)

 中国における新型コロナウイルス感染者数はまたも爆発的に増加しており、上海ではロックダウンが続いている。中国政府はロックダウンや徹底的なPCR検査などとともに、中国ならではの武器を駆使してコロナ対策を執行している。それは、強力な「ITツール」である。

 例えば「健康コード」は、現在、中国人および中国在住者が必ずダウンロードしなくてはならないアプリだ。リアルタイムで一人ひとりの行動履歴と行為をモニタリングするアプリで、交通機関を利用する際や、公共の場に出入りする際、買い物などの際に、必ず健康コードを提示し、行動を記録しなければならない。

 健康コードが、健康を示す緑色から黄色もしくは赤色に変わったら、アプリ保有者は交通機関が利用できなくなるなどの行動制限を受ける。いわば、デジタル監禁である。

 色が変わる条件は、政府が設定している。ちなみに、以前、北京の友人が風邪薬を買いに薬局へ行ったら、それだけで健康コードの色が変わってしまい、居住区画を出られなくなってしまったという。

 アメリカに本部を置く人権NGO団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)の情報によると、このアプリは、これまで新疆ウイグル人と麻薬常用者を監視するために用いられていたシステムの進化版であるとのことだ(注1)。

(注1)‘China: Fighting COVID-19 With Automated Tyranny’ 『The Diplomat』 2020年4月1日

 中国で誰もが健康コードをダウンロードして利用している背景には、もちろん中国政府の社会管理能力やコントロール力があるが、それだけではない。中国人に、他の国の人々に比べて自ら進んで新しい科学技術やITツールを受け入れる傾向があることも要因だろう。