ウクライナは最後通牒を拒否

 3月20日には市の東端で、400人が逃げ込んでいたとされる学校をロシアの爆弾が直撃した。その日のうちに、ロシアは最後通牒を突き付けてきた。

 翌日午前5時までにマリウポリを明け渡せという内容だ。ウクライナ政府はこれを拒否した。

 だが、ウクライナ政府には、ロシア軍の封鎖を突破する術がない。

 アレストビッチ大統領顧問は3月19日に、マリウポリに最も近いウクライナ軍の部隊でも110キロ以上離れていると述べていた。

 市街にたどり着くには、ロシア軍の空爆に完全に無防備になる陸路を進まなければならない。

 多くの人はロシアの最後通牒を、もっとひどい犯罪が続く警告だと解釈した。そしてその後、戦いはさらに激しくなった。

 今では、戦艦からも砲撃されている。マリウポリは陥落間近だ。

 ウクライナ軍第36海兵旅団の精鋭と一緒に戦っている準軍事組織アゾフ連隊の創設者アンドリー・ビレツキー氏は3月20日、マリウポリの東部で市街戦が展開されていることを確認した。

 3500人のウクライナ兵が1万4000人の侵略者――ロシアがウクライナに投入した推計兵力の約10分の1――と戦っている。

 攻撃側にはかなりの数的優位が求められるというのが定説だが、それでもウクライナ側の見通しは厳しい。

 マリウポリでの大虐殺とキエフの成功は、ともにウクライナ国民の決意を強めた。だが、同国は侵略者との交渉を追求し続けている。

 そしてロシアがそうした交渉から求めている条件は、ウクライナが譲歩できると話している範囲をまだ超えているとはいえ、簡単に圧勝できるとの見通しの下で侵攻が始まった時のそれに比べれば、かなり控えめになっている。