先週12月9日午前0時37分、中国共産党傘下の中国報道ネットが、14億中国人の安眠を吹き飛ばすような記事を掲載した。タイトルは、「三人っ子政策を実行する党員幹部の適切な行動」。

2049年に建国100周年を祝うのは「5億人の老人」

 記事の紹介の前に、若干の中国の人口問題に関する話をしよう。中国は1978年末から、当時の最高実力者・鄧小平氏の方針で、経済発展のための改革開放政策を始めた。そんな鄧小平氏にとって、改革開放と表裏一体だったのが、一人っ子政策だった。このまま中国の人口が増え続けては、経済発展ができないとして、強力な一人っ子政策を進めたのだ。

 1982年に定めた憲法には、「国家は一人っ子政策(計画生育)を推進し、人口の増加と経済社会の発展計画が合致するようにする」(第25条)と明記した。憲法で子供の数を定めた国など、中国くらいのものだろう。

 ところが21世紀に入って、この一人っ子政策が、切実な社会問題になってきた。農村部では女の子が生まれると時に間引いてしまうため、男児ばかりが生まれ、一時は男女比が118:100(2010年)まで開いてしまった。すでに3000万人の結婚適齢期の中国人男性が「結婚難民」と化している。

 もう一つは、寿命の増加に伴い、近未来に未曽有の少子高齢化社会に突入することだ。このままでは、2049年に建国100周年を祝うのは、「5億人の老人」ということになる。

 そこで習近平政権は、発足した2013年末に限定的に二人目の出産を認めた。その一年後には、完全に二人っ子政策に転じ、むしろ二人目の出産を奨励するようになった。

 さらに今年8月20日には、人口計画出産法を改正し、三人目の出産を認めた。三人っ子政策に転じ、三人目の出産を奨励するようになったのだ。中国の人口問題に関心がある方は、拙著『未来の中国年表 超高齢大国でこれから起こること』(講談社現在新書)を参照いただきたい。