ロシアのサンクトペテルブルク港

 ロシアでのビジネスには苦労が多いとされる。

 しかし、外国でのビジネスではそれらの国・地域に特有の事情とそれに起因する苦労はどこにでも存在するはずである。

 ロシアの場合にはどちらかというと苦労するという「イメージ」が先行するため、ビジネスを行う上で他地域に比べ過剰な警戒感を抱かれがちだ。

 特に、ロシアビジネスに取り組んだことがない方にはその傾向が強いように見受けられる。

 その感覚は一面正しくもあるが、ロシアの中で定点観測をしてみると、それはまた必ずしも正しくないということも見えてくる。

 ロシアのビジネス環境改善の一例として、今回は通関現場の事例を紹介したい。

「トラブル多発」の税関で改善が顕著

 ジェトロが在ロシア日系企業を対象に毎年実施する「通関アンケート」を見ると、2020年から2021年にかけて通関行政が改善してきたことが読み取れる。

 同アンケートは毎年7月または8月に実施し、過去1年間での通関トラブルなどについての状況を調査するものである。

 今年は在ロシア日系企業62社(製造業8社、非製造業54社)から回答を得た。

 回答企業のうち通関上の問題、あるいはトラブルが発生したのは全体の40%。前年に比べて5ポイント、2年前の調査と比べて8ポイントの減少となった。

 税関別でみると、日本からの航空貨物が集中するシェレメチェヴォ税関は前回比7ポイント減の52%、最大のコンテナ通関港であるサンクトペテルブルク港を所管するバルト税関が同8ポイント減の40%。

 多くの日系企業が物流倉庫を持つモスクワ州を管轄するモスクワ州税関が同11ポイント減の20%となった。