子どもは親の「ありがとう」が嬉しい

 親は完璧な存在、見本となる存在でなくてもよいように思う。親に何らかの不足、欠点、欠如があると、子どもはそれを補おうとする。それによって、子どもは自己効力感、あるいは自分が能動的に動くことで何かを成し遂げた、という、能動感を得られる。

 親が仕事で忙しく、家の片付けもままならない。子どもが気を遣って、片付けてくれる。すると、帰って来た親が驚く。「片づけてくれたの? ありがとう!」。つたないながら、帰りが遅い親のために子どもがご飯を炊いておく。「ごはん炊いてくれたの? 助かるわ。ありがとう」

 親は、子どもがしてくれたことに素直に驚き、「ありがとう」と伝える。子どもは、自分が何事かを成し遂げることができた、という自己効力感を得られる。それが嬉しい。親が喜ぶのも嬉しいから、また進んで家事をしたくなる。

切り株を微生物の力で取り除く方法

 ちょっと変な話をする。邪魔な木の切り株がある、これを微生物の力で取り除いてほしい、というクイズ。昔の微生物学では、木の成分(リグニンなど)を分解する力の強い微生物を大量にかけたらよい、という解決方法を考えがちだった。しかし実際は、3日も経てばふりかけた微生物はどこへやら。土着微生物に駆逐されて、いなくなってしまう。

 ところが、面白い方法がある。切り株の周りに肥料をまく。すると、切り株は数か月でボロボロに腐ってしまう。土着微生物の力で。