2020年12月26日に「国防法」を改正し、年明けから施行している。「中華民族の偉大な復興」が目標であることを明確にした。

 2021年2月には海上警備を担当する海警局に管轄領域で武器使用の権限を与えた「海警法」を施行した。

 当時こそ新聞も報道したが、今は何事もなかったかのようである。そして4月30日には海事局に領海を通行する外国船舶に退去を命じる権限を与える「海上交通安全法」を成立させ9月1日から施行する。

 尖閣を管轄領域とみる中国はこれらの法律で日本の漁船や巡視船を正当に追い出すことができるようになる。

中国の自信満々の発言

 2020年11月24日、中国の王毅国務委員兼外相が来日して茂木敏充外相と会談後、共同記者発表を行った。

 茂木氏が「尖閣諸島周辺海域に関する日本の立場を説明し、中国側の前向きな行動を強く求めた」と述べたのに対し、王毅氏は「一部の真相が分かっていない日本漁船が釣魚島周辺の敏感な水域に入る事態が発生している」と主張し、「引き続き自国の主権を守っていく」と強調した。

 翌日の菅義偉首相との会談後も、王毅氏は「偽装漁船が繰り返し敏感な海域に入っている。このような船舶を入れないようにするのはとても大事だ」と記者団に述べた。

 会談両日とも中国海警局の船が尖閣諸島周辺の接続水域を航行した。

 王毅氏の「敏感な海域」発言を聞いている日本以外の国民には、中国が〝主権を持っている管轄海域″に他国の漁船が国籍を偽装して侵入しているというように聞こえるのではないだろうか。

 こうした間違った発言を世界に向けて堂々とやり、いつしか嘘を「本当」にしていくわけである。

 その後の参院本会議で茂木外相は、王毅氏に対し「歴史的にも国際法上も疑いのないわが国の固有の領土で、有効に支配している。尖閣諸島をめぐり解決すべき領有権の問題はそもそも存在しない」と伝えたと釈明した。