コロナの空気感染は当たり前と考えた方がいい。それを踏まえた対応が求められる(写真:ロイター/アフロ)

 1916年の著名医学誌、英『Lancet』では、病院で蔓延する麻疹や風疹など感染症の空気感染を防ぐため、感染者が出るたびに追跡し、課題と対策を検証していた。当時は、未感染の人に強い症状が出ることもあり、大きな社会問題となっていた。そこから100年近くが経った今でも、時折、麻疹や風疹などの発生が問題になることはあるが、ワクチン開発などの対策により、ウイルスの空気感染という問題はほぼ解決したように見えていた。

 ところが、100年を経て、新型コロナウイルス感染症の空気感染を巡り、感染症で名高い組織で混乱が起きている。米国でコロナが空気感染すると考え方が公開された後に、即座に撤回したという話だ。今回は新しい研究も踏まえつつ、ウイルスの空気感染について考察する。