としまえんがハリーポッターに変わって、果たして集客は成功するだろうか

 皆さんは「ドンチャック」というキャラクターをご存じでしょうか?

 本稿の末尾で「ドンチャック」については触れたいと思いますが、今回の話題は「としまえん」そして「ハリー・ポッター」のビジネスです。

 なぜ「ハリー・ポッター」なのか・・・と疑問に思われる方も多かったのではないでしょうか?

 8月31日に閉園した「としまえん」の後釜として計画されているテーマパーク、米国の大手映画エンターテインメント、ワーナーブラザーズが出資する「スタジオツアー施設」を2023年から30年契約で展開というのですが・・・。

 だとすれば2053年には「ハリポタスタジオ」もお払い箱という見通しのもと、どうしてこうなるのか、背景を考えてみたいと思います。

チボリと仮設遊園地

 具体的には東京ローカルの話題で恐縮ですが、実は日本の多くの都市で、主として鉄道会社が経営する同様の「遊園地」が、芽を出し、花開き、やがて不振に陥っていった20世紀の興隆と衰亡。

 昭和生まれの読者には、いろいろ思い当たることがあるのではないでしょうか。

 私は東京の中野生まれで練馬の学校に通いましたので、「としまえん」は完全なる地元でした。中学高校時代には友達と一緒に夏の夜、遊びに出かけた甘酸っぱい思い出があったりもし、個人的には寂しい限りです。

 私が生まれ育ったエリアは都内から都下の「西武線」沿線ですが、同様に鉄道網がカバーするエリアの家族づれを当て込んで「遊園地というもの」で集客できた時代が、20世紀全中半でした。

 そのようなビジネスモデルが困難になってしまった「脱地域化」=一種のグローバル化として「ハリー・ポッター」を見る必要があるでしょう。

 そもそも遊園地というものは、王国首都の中心部にエンターテインメントの賑わい場所を作ったものでした。

 世界最古の遊園地としては、デンマークの首都、コペンハーゲンの「デュアハウスバッケン」(1583年創業)、オーストリア、ウイーンのど真ん中にあるプラーター公園(1766年開園)などが端緒とされるようです。