ロシアの病院の隔離病棟から見える景色。正面の歴史的な建物が美しい

 ロシアにおける新型コロナの拡大ペースはものすごい。4月17日の1日だけで、新規感染者数はなんと4785人。

 感染者の総数は17日時点で3万6793人、合計で313人が亡くなっている。

 重症患者のための病院建設を急ピッチで進めるかたわら、市民に対しては外出行動制限に加えて通行許可証システム、罰金制度を導入など、様々な策を講じている。

 しかし今のところ目に見えた効果はない。

 社会が不安に包まれているなか、私は今、モスクワ北西部にある市立の感染症専門の大病院に入院している。

 15日間連続でずっと熱が出ているのだ。自分がコロナに感染しているのかどうか分からない。4回も検査してもらったのだが、結果を知らないのである。

 ちょうど2週間前の土曜日、モスクワでの自宅隔離生活の最中に身体がだるくなり、微熱が出た。仕事が忙しかったので、疲れが出たのだろうと思った。

 しかし月曜になっても倦怠感があったので、念のため家に医者を呼んだ。

 ロシアでは訪問医療は一般的で、私の場合は会社で契約している保険に入っているため、私立クリニックから医者が来てくれた。微熱ということで、一般的な薬を処方された。

 次の日はすっかり元気になった。原稿を書いたり、電話取材したり、ロシアのテレビ局から頼まれていた豆腐の試食をしてその様子を動画撮影したりと、充実した1日を過ごした。