11月12日に台湾海峡を通過中の米海軍巡洋艦から望む台湾海峡(写真:米海軍)

(北村 淳:軍事社会学者)

 台湾国防当局によると、11月17日、中国海軍の空母艦隊が台湾海峡を東シナ海から南シナ海に通過した。海上自衛隊と米海軍の艦艇がその空母艦隊を追尾するとともに、台湾軍は艦艇と戦闘機を緊急発進させるなどして監視態勢を強化した、とのことである。

 ただし、台湾当局は詳細にわたる発表はしていない。日本国防当局も、台湾海峡を通過した中国空母艦隊と海自艦艇に関する情報は持ち合わせていないと述べており、アメリカ太平洋艦隊司令部も「ノーコメント」としている。

中国と台湾を隔てる海峡が台湾海峡(Googleマップ)
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間もなく正式に就役する中国001A型空母

 今回、台湾海峡を通過した中国空母は、001A型(いまだに艦名は決定していない)航空母艦である。この空母は、中国海軍にとって2隻目の空母であり、初の国産空母になる。満載排水量7万トン、全長315メートルと言われている001A型空母にはJ-15型戦闘機が32機と各種ヘリコプターが8機搭載される。

中国海軍の001A型空母