マット安川 現在の与党・民主党は、あの2009年7月の政権交代の時から、政策も人事もすっかり変わってしまいました。原点に立ち返り、本来の政策を求めて「日本維新の会」を設立される原口一博さんを迎え、これからについてお聞きしました。

地方から中央の枠組みをぶっ壊す! 日本維新の会、始動

「マット安川のずばり勝負」ゲスト:原口一博/前田せいめい撮影原口 一博(はらぐち・かずひろ)氏
衆議院議員、前総務大臣。民主党佐賀県総支部連合会代表。 松下政経塾、佐賀県議会議員を経て、1996年に衆議院議員に初当選。2009年9月から翌年9月まで総務大臣を務める。尊敬する人は松下幸之助、マザー・テレサ、ガンジー。(撮影:前田せいめい、以下同)

原口 このほど地域主権改革を推進するための政策集団、日本維新の会を起ち上げました。民主党を中心とする若手国会議員85名にご参加いただいているほか、自治体の首長や議員の方々とも幅広く連携しています。

 橋下徹大阪府知事、河村たかし名古屋市長も私たちの仲間です。5兆円もの赤字財政の再建を推進した橋下さんと、減税日本の代表を務める河村さん・・・考え方が違うんじゃないかと言われることもありますが、細かいことにこだわっている場合じゃないでしょう。今はもっと大きな原理原則を大事にしないといけません。

 今思い出しても涙が出るのは、夏の暑い日、橋下さんが民主党本部に僕を訪ねてきてくれたときのことです。自公推薦を受けて知事になった人が民主党の僕と組むのはリスキーなことなのに、地域主権改革を一緒にやろうじゃないかと言ってくれました。

 地方から中央の枠組みをぶっ壊す。そんな熱い志を持つ者同士、力を合わせようじゃないかと、私たちは考えています。

 今の日本は中央が地方に余計な手出しをしすぎています。国会議員は日本の国権、国益を世界に対して主張するのが仕事です。特にTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)のようなルール作りの競争に勝つために頑張らないといけません。しかし、例えば橋をどこに造るかといった具体的な予算配分については、地方にお任せすればいいんです。

 日本維新の会が掲げる当面の目標は、議会改革と行政刷新です。衆参両院を対等合併し、国会議員を300人減らす。併せて、いたずらに敵と味方を分ける小選挙区制も抜本的に見直す。そんなダイナミックな改革を推進したいと思っています。

「控除から手当へ」子ども手当のコンセプトを全力で守る!

 民主党のマニフェストを人気取りのためだとか小沢マニフェストだとか言う人がいますが、それは違います。日本の将来を考えて、みんなで決めたことです。

 例えば子ども手当にしても、子育て・教育こそが国づくりの中心課題だという思いから出発しています。手当という方法を選んだのは、各種控除で対応しては個々の働き方で実質的な負担が変わってくるためです。