前述の在米の人口統計専門家、易氏は、「一人っ子政策が、中国の深刻化する少子高齢化の主要因」と指摘した上、「中国の人口減少傾向は、日本が20年前に直面した問題と類似し、中国の製造業界も将来的に、深刻な労働力不足に喘ぐだろう」と警告する。

 しかし、筆者は以前にも指摘したが(「悲惨極まりない中国人の老後 失踪死亡が多発」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/51859)、特に中国と日本社会の高齢化の実態には大きな違いがある。

 中国では、「未富先老」。すなわち、「国民が裕福になる前に、高齢化が先に訪れる」。そのため先進国になって高齢化に突入した日本とはわけが違う。しかも、その規模が比較にならない。

 中国では2050年、日本の人口に相当する約1億2200万人が、「80歳以上の後期高齢者」で占められる。実に中国の人口の約9%にもなる。

 また、中国民生部傘下の研究機関、中民社会救助研究院によると、「中国では毎日1300人以上、年間で50万人が失踪する」と悲惨な実態が明らかになっている。

 行方不明の8割が65歳以上の高齢者という。

 今後、経済成長率が低下し、社会保障制度への不満や懸念が高まったときこそ、一党独裁の共産党体制の存続が危ぶまれるだろう。

(取材・文・撮影 末永 恵)