かつて、バーレーンは地上の楽園だった。少なくとも、極く最近までは。

 

イスラムと西欧の橋渡し役を担う国

空から見るバーレーンの高層ビル

バーレーンの首都マナマ〔AFPBB News

 サウジアラビアの首都リヤドから、ペルシャ湾に浮かぶ小島バーレーン島までは車で3時間ほどだという。と言っても砂漠の高速道路を疾走してのことだそうだが。

 厳しいイスラム戒律に従うサウジアラビアと対照的に、バーレーンは「ソフト・イスラム」の国だ。非常に分かりやすく言えば、アルコールを飲むことができる。

 週末になるとサウジをはじめとして周辺のイスラム諸国から、ソフトなムスリムたちが集まってくる。女性も顔を隠す必要がない。

 1月に動乱のあったチュニジア同様、厳密なイスラム国と西欧を橋渡しする、文化の緩衝地帯のような国だ。

空から見るバーレーンの高層ビル

バーレーンに建設中の高層ビル〔AFPBB News

 そのために、2つの文化の間の矛盾もまた、緩衝地帯の国は背負い込まざるを得ない面がある。かつてのバーレーンは暴政が敷かれ、クウェート以上に危ない国と言われていた。

 だが湾岸戦争以来、民主化を求める暴動が頻発するようになり、政治体制がここ20年、大きく変わる渦中にある。

 バーレーンはまた、米国と防衛協定を結ぶペルシャ湾の軍事的要衝でもある。バーレーン島には米国第5艦隊司令部が置かれ、バーレーン島の南4分の1ほどが米軍基地になっている。

 バーレーンに米軍基地がある、のではない。言わばバーレーン島自体が軍事基地なのだ・・・。この表現、どこかで耳にしたことはないだろうか?

ペルシャ湾のオキナワ

 島に基地があるのではない、島自体が基地なのだ・・・。これは米軍がしばしば沖縄に関して漏らす本音そのものだ。第2次大戦で戦場となり、幾多の悲惨を生み出した沖縄を、「そんな勝手な・・・」と日本人は思う。

 しかし、ここには「古来の領土」といった言葉が通用しない、力の現実がある。

 かつてNHKの番組取材でノースカロライナで米軍最大の軍事基地フォートブラッグに体験入隊したことがあった。

 売店の店番をしていた退役軍人の老人は、とてもではないが日本のテレビで放映できないような言葉を連発して私たちを驚かせたものだ。