ゴールドマンは、未曽有の金融危機で生き残り、ライバルが敗退した後の金融市場に君臨。

 金融危機前、米国の最大手証券はいずれも高リスクのデリバティブ商品を扱っていたのに、ゴールドマンだけが無傷で撤退できたのは、政治的背景が大きいとされる。

 ウオール街は米国の選挙をお金で動かし、金融規制を骨抜きにしてきた。中でも金融危機によって「政府主導で断行されたAIG救済は、本当はゴールドマンを救済するための『国策』だった」(米金融業界関係者)という。

 ゴールドマンの競合、リーマンブラザーズを破綻させ、AIGを救済したのは、ヘンリー・ポールソン財務長官(当時)だった。長官就任前はゴールドマンのCEOを務めていた。

 ゴールドマンはCDSという破綻保険を買い集め、その売り手がAIGだった。

 CDSの買い手であるゴールドマンは、AIGが破綻すれば、CDSの損失補償を受けられず、破綻危機に追い込まれる状態に陥っていた。

 このため、ポールソン長官は、リーマンブラザーズを破綻させ、850億ドルの公的資金でAIGの救済という方針転換を急遽実施。

 これに伴い、ゴールドマンは、AIGから130億ドルの債権を100%回収することができた。金融危機後、1年以内にゴールドマンが最高益を記録したゆえんだ。

 ちなみに、山一証券倒産時、株の仕手戦で山一と逆張りの投機を徹底し、山一を資金難に追い込んだのが、何を隠そう、ユダヤ系・ロスチャイルドの投資銀行ゴールドマンだった。

 その陰で動いたのが、ユダヤ系のヘンリー・キッシンジャー元国務長官だったと言われている。