このところ人手不足による倒産が増えている。日本は未曾有の人手不足時代に入っており、労働者の不足から供給制限がかかる可能性は以前から指摘されていた。
やっかいなのは、景気がよい状態で人手不足になっているわけではなく、もともと経済の基礎体力が低下しているところに人手不足が重なっていることだ。今後、人手不足による供給制限はジワジワと日本経済を蝕む可能性がある。
もはや高齢者しか残っていない
帝国データの調査によると、2018年上半期の人手不足による倒産件数は70件と前年同期比で42.9%の増加となった。件数が前年同期を上回るのは3年連続で、初めて年間100件を突破した昨年を上回るペースとなっている。人手不足で倒産する企業が急増しているのは間違いない。
業種別の分類では、サービス業がもっとも多く、次いで建設業、運輸、通信業の順となっている。過去5年の累計でも建設業とサービス業が多い。
具体的には、運送会社でドライバーが確保できず、新規受注が滞って資金繰りが悪化したケースや介護施設でスタッフが集まらず業務が遂行できなくなったケース、IT企業でエンジニアが離職したことで納期が遅延したケースなどがあった。