ネパール最大の祭り「ダサイン」のブランコ

ネパールの首都カトマンズで、ヒンズー教の祭り「ダサイン」の祈りをささげる人々(2016年10月9日撮影)。(c)AFP/PRAKASH MATHEMA〔AFPBB News

 私は看護師だ。北海道大学を卒業して虎の門病院に勤務した。昨年4月からNPO法人医療ガバナンス研究所の研究員として活動している。

 その一環として、ネパールと共同研究をしている。きっかけは、学生時代に現地の医学生であるアナップ・ウプレティ氏と知り合ったことだ。その後、互いに医師、看護師として働く間もSNSで連絡を取り合っていた。

 2015年7月、彼から「日本で医療を勉強したい」と相談があり、日本留学を手配したことから共同研究も始まった。

ネパール人看護師の目に映った日本の医療現場

 現在は、彼が勤務するトリブバン大学教育病院と共同で、2015年の地震が地域医療に与えた影響について調査している。

 共同研究者の1人にディピカ・スレスタさんという看護師がいる。昨年12月、打ち合わせのため来日した。彼女にとって初めての海外渡航だった。

 彼女の希望で神奈川県立がんセンターを見学した。以前からお世話になっている土屋了介・神奈川県病院機構理事長(当時)にお願いすると、快く応じてくれた。

 ネパールはアジアの最貧国の1つだ。2016年の1人当たりの名目国内総生産(GDP)は約700ドル。カンボジアやミャンマーの半分程度。神奈川県立がんセンターはスレスタさんの目に「設備もサービスも、どれもが最新」と映ったようである。

 特に彼女が興味を持ったのが、患者支援センターという部署。ここでは、患者・家族が抱くあらゆる心配事に対して看護師とソーシャルワーカーが相談を受けつけている。