まずは、これらの部隊に、朝鮮半島や中国大陸において、特殊作戦に従事できる任務と能力を付与し、その目的に資するよう早急に育成することである。

 この際、敵基地攻撃は統合作戦をもって遂行されることになろうから、陸海空の特殊部隊を統合部隊として編成することも検討課題の1つとなろう。

 また、例えば、朝鮮半島有事には、在韓米軍と韓国軍が中心になって戦うため、米韓両軍のカウンターパートと共同連携できるような体制を整えておく必要があろう。

 他方、現在のところ、政府の敵基地攻撃能力保有の方針は、空中発射の巡航ミサイルに限られている。

 しかし、航空機の運用には、航空優勢の帰趨や天候気象条件に左右されるなどの問題点や欠点があり、地上発射あるいは海上・海中発射の対地攻撃ミサイルなど、多様な手段を準備し、相互に補完・強化できるようにしておくことが重要である。

 例えば、陸自は地対艦ミサイル(SSM)と呼ばれる巡航ミサイルを装備しているが、その射程を伸ばし、対地攻撃能力を持たせ、また、海自の水上艦艇や潜水艦に、米軍のトマホーク巡航ミサイルを搭載するのも有力な選択肢である。

 政府の決断によって、わが国の「敵基地攻撃」について大きな前進が図られようとしているが、それを実効性ある戦略に高めるためには、「戦場の霧」を晴らすなど、まだまだ為すべき措置対策の多いことを重々認識し、わが国の「敵基地攻撃」能力のシステム構築を急がなければならない。