最後は特殊部隊や潜入工作員(例えば米国のCIA)などのヒューミントに依存せざるを得ないのである。また、攻撃後の戦果の確認も大事であるが、それもまたヒューミントの出番となる。

 つまり、敵基地攻撃能力については、「目標発見→捕捉追随→攻撃→戦果確認」のサイクルをしっかり確立しなければならないのである。

 1990年1月17日に始まった湾岸戦争では、イラクが隣国のサウジアラビアやイスラエルにソ連製のスカッド・ミサイルを撃ち込んだ。

 同ミサイルは移動式のため、偵察衛星などではその所在を掴めず手を焼いた米軍は、英軍の特殊部隊などを地上から投入し、移動式スカッド・ミサイルの位置を特定し、その誘導によって航空攻撃や砲撃などを行い、ようやく制圧に成功した。

 いかに軍事科学技術が発達しても、「戦場の霧」を晴らすには、最後は人間の力に頼らざるを得ないのである。

米朝戦争において
米軍を悩ます「戦場の霧」

 米国の民主党上院議員で元軍人のテッド・リューとルーベン・ガレゴ両氏は9月下旬、ジェームズ・マティス米国防長官に宛てた書簡で、米朝戦争になった場合の詳しい被害予測を発表するよう要求した。

 米統合参謀本部議長室を通じた回答には、「戦場の霧」に関する内容が含まれている。

 その回答の中には、「北朝鮮が開発した核兵器や関連施設をすべて発見し、完全に破壊するためには、地上侵攻しか方法がない」と明記されている。

 それは、核兵器のみならず、生物・化学兵器などの兵器・弾薬の保管場所や関連施設、地下に造られた指揮所や攻撃拠点、金正恩政権の内部情報などを正確に把握するのは至難の業であり、まだ、十分に解明されていないことを意味している。

 最終的にはヒューミントに頼るしか確実な方法はないことを示しているのである。