在中国日本企業は中国共産党の統制監督下に
衝撃的なニュースが飛び込んできた。何と中国共産党組織が外資企業の7割に設置されたというのである。伝えたのは、米ニューヨークに本部を置く中国語非営利衛星放送局の新唐人テレビだ。
それによると、中国共産党機関紙「人民網」は、次のように報じた。
10月19日、中国共産党中央組織部の斉玉副部長は、中国共産党大会の記者会見で、2016年末までに国営企業14万7000社のうち93.2%に党組織が設立され、民間企業273万社のうち67.9%、さらに外国企業10万6000社のうち70%に上る7万5000社に党組織を設立した旨を明らかにした。(ゴシックは筆者付記)
帝国データバンクの調べによると、昨年(2016年)8月末時点で、中国に進出している日本企業は1万3934社。
単純に計算すると、進出企業の70%は約9800社に上り、実際の数字は明らかではないが、それほど多くの日本企業が中国共産党の統制監督下に置かれているという、驚くべき事実が中国側から公表されたのである。
前掲の斉玉副部長は、企業内に共産党組織を設立することは、企業の経営発展を促すことになり、党組織のアドバイスにより、中国の政策を理解し、雇用問題の解決を図れるためだと話した。
しかし、それはあくまで、表向きであって、国内外におけるいざという時に、共産党の方針に従って、企業を統制し監督することが主たる狙いになっているのは否定できない。それは、この後述べる、中国の「国防動員法」と大いに関係しているからである。
他方、中国の国内事情からみれば、党員をもってすべての企業の内部監視を行わなければ安心できない中国共産党の不安な心理状態が透けて見える。
今般の共産党大会で「核心的リーダー」、言い換えれば「皇帝」になった習近平総書記(国家主席)が、神格化された自らの権力によって一党独裁体制を維持するための国内統治を強化しようとする意図がありありである。