地政学リスク上昇でも原油価格低迷、真因は中国か

中国当局の猛烈な金融引き締めでリスクマネーが減少

2017.06.09(金) 藤 和彦
    http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/50219
  • 著者プロフィール&コラム概要

UAE、カタールとの国交回復に「確約された計画表」を要求

サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)など中東諸国がカタールとの国交断絶を発表した。UAEのアブダビにあるカタール航空の支店前に集まる人々(2017年6月6日撮影)。(c)AFP/Ali KHALIL〔AFPBB News

 5月25日のOPEC総会以降、産油国の期待に反して原油価格は低迷している。

 6月5日の米WTI原油先物価格は、中東の地政学リスクの高まりにもかかわらず、前週末比0.26ドル安の1バレル=47.4ドルに下落した。

「カタールと断交」の影響は?

 サウジアラビア、エジプト、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーンの4カ国は6月5日、「ムスリム同胞団などのテロ組織を支援した」ことを理由に挙げ、カタールと国交を断絶すると発表した(その後、イエメンとモルディブが加わった)。

 カタールはOPEC加盟国の一員であり、世界最大のLNG消費国である日本はカタール産の天然ガスに大きく依存している。

 断交の背景には、イランとの関係を模索するカタールの外交姿勢もあるとされている。このニュースが配信されると、「中東諸国の関係が緊迫化し原油供給が減少する」として原油価格は1.6%上昇した。だが、カタールからの原油供給に影響がないと分かると「むしろOPEC加盟国の間で協調減産に対する足並みがそろわなくなる」との懸念が浮上し、原油需給が緩んだ状態が続くとの見方が大勢を占めた。

 米エネルギー省が6月7日に発表した統計で原油在庫とガソリン在庫が予想外に増加したことが判明したことから、原油価格は1バレル=45ドル台に急落した。

効果が薄いサウジの「戦力の逐次投入」

 産油国、特にサウジアラビアは、協調減産を来年3月まで延長しても原油市場における供給過剰感を払拭できない状況に頭を悩ませている。

1
スマートエネルギー情報局TOPに戻る
PR
PR
PR
バックナンバー一覧 »

POWERED BY

  • ソーシャルメディアの公式アカウントOPEN!
    TwitterFacebookページでも最新記事の情報などを配信していきます。「フォロー」・「いいね」をよろしくお願いします!
Twitter
RSS

 

経済産業研究所上席研究員。1960年、愛知県生まれ。早稲田大学法学部卒。通商産業省(現・経済産業省)入省後、エネルギー・通商・中小企業振興政策など各分野に携わる。2003年に内閣官房に出向(エコノミック・インテリジェンス担当)。2016年から現職。著書に『日露エネルギー同盟』『シェール革命の正体 ロシアの天然ガスが日本を救う』ほか多数。

オリジナル海外コラム

米国、欧州、中国、ロシア、中東など世界の政治経済情勢をリアルに、そして深く伝えるJBpressでしか読めないオリジナルコラム。

>>最新記事一覧へ