冒頭にも申し上げたように、マネジャーの仕事は部下にスポットライトを当てることである。中には自らの優秀さを部下に分からせることで、マネジャーになってもなお自らがスポットライトを浴び続けようとする上司もいる。

 しかし、これでは部下は育たない。部下を育てるためには、むしろスポットライトを浴びたことのないような部下に対しても、いかにスポットライトを当ててあげるかを考えるような関わり方が求められる。

 そのためには部下の苦労や気持ちを理解できていなくてはならない。

部下の痛みを知り日本一に

 「はじめは自分は3流のプレイヤーでした。でも、そこから泥水すすりながら地べたを這いつくばって、いっぱい悔しい思いをして、いっぱい泣いて、なんとか這い上がってきました。なので、部下の苦労や痛みは誰よりもよく分かります。これが自分の唯一の武器だと思っています」

 とある企業で何百もの営業チームがある中で、日本一の営業成績を修めたチームのリーダーがこんな話をされていた。このリーダーは下から数えた方が早いような業績しか残せなかったチームを粘り強く指導し、日本一の業績を修めるまでに育て上げた。

 自らの経験を基に、スポットライトを浴びたことのないような部下でもスポットライトを浴びられるようになるためにはどうすればいいか、それを必死で考えてきた。
その結果がこの業績となって現れたという。

 マネジャーという仕事をするうえでも、プレイヤーとしての能力は求められる。そのため、プレイヤーとして優秀な人はマネジャーをするうえでもアドバンテージを持っている。

 しかし、その優秀さは部下を育てる上では時にディスアドバンテージとなることがある。マネジャーの役割は部下にスポットライトを当てること。その点に意識を払って、真の優秀なマネジャーとしての道を歩んでいただきたい。