中国・大型連休の海外旅行先、「意外な」国が観光客に人気

モロッコの夜景(2017年9月19日撮影、資料写真)。(c)CNS/陳紅絶〔AFPBB News

 私は公認会計士であるとともに、経営心理士として企業の経営を数字と心理的側面から分析して経営改善を行うコンサルティングを行っている。

 この経営改善を行ううえで、経営者が自らの感情やエネルギーを適切に管理することは極めて重要な要素となる。

 特に中小企業においては、経営者のエネルギーの低下はそのまま企業のエネルギーの低下につながりかねないため、より重要になる。

 この感情やエネルギーをうまく管理していくためには、起きている事象を前向きに、建設的に捉えるスキルがあるかないかが大きなカギを握る。

感情を制御するための原因論と目的論

 このスキルとして原因論、目的論という考え方をご紹介したい。

 起きた事象をどのように捉えるかという点に関して、心理学の世界では原因論と目的論という考え方がある。

 原因論はそういう事象が起きた原因となる過去の事実に着目するのに対し、目的論はそういう事実を引き起こすことによって達成しようとする目的は何かということに着目する。

 目的論の考え方についてはあまり馴染みがないと思うので、1つ例を挙げたい。

 営業で接待が多く、毎日のように飲む日々が続き、肝硬変になってしまったとする。原因論によると、酒の飲み過ぎが原因で肝硬変になったと考える。

 目的論によると、肝硬変になることで達成したい目的があるから肝硬変になったと考える。

 その目的は、体を休ませる、営業という仕事から離れる、心配してもらって周囲の注意を引く、構ってもらう、日々接待を頑張っていることをアピールするなど、様々なものが考えられる。

 この場合、肝硬変になったことでその目的が達成されなければ、肝硬変が治っても当初の目的を達成するためにまた別の病気になる可能性が高い。そのため、その目的に気づく必要がある。

 「肝硬変という病気になったことで、自分は何を達成しようとしているのだろう」

 そんな自問自答をすることで、自らの深い意識からのメッセージに気づけることもある。そのメッセージに気づくことが、問題の根本的な解決につながる。目的論ではそう考える。