オンラインでも問診は可能。医師も患者も時間とコストを節約できる(写真はイメージ)

 皆さんは、パソコンやスマホから医療機関への通院が可能になるオンライン通院を体験したことがあるでしょうか? 筆者が院長を務める病院ではこのシステムを導入してから半年間が経過しました。

 オンライン通院は「遠隔診療」とも呼ばれます。保険診療では「遠隔医療は、あくまで対面診療の補完」と位置付けられており、日本医師会は「診療報酬で手当するためには、患者にとって有用かつ安全であるというエビデンスを確認することが必要」との立場を取っています。

 そうした事情のため、オンライン通院では「初診」(初めてその医療機関を受診する場合と、同じ医療機関でも一旦症状が治癒して間隔が空いてしまった場合)は保険対象になっていません。再診しか保険対象にならないのです。

 ICT(情報通信技術)を駆使して医療の効率化を進めたい診療報酬支払側は、外来患者の中の何割かはオンライン通院で十分に治療ができると見ています。つまり、対面診療は必ずしも必要ないというスタンスです。

 一方、日本医師会は「患者の表情、息遣いなども含めて診るのが医療であり、スマートフォンで確認すればいいという問題ではない」というスタンスであり、オンライン通院をめぐって対立が続いています。