知的好奇心をくすぐる読み物サイト「biblion」から選りすぐりの記事をお届けします。

【第8回】

 日本の高度成長を支えた、「正解」をいかに早く覚え、再現するかという従来の教育は、「答えのない時代」を迎えた今、うまくいかなくなった。日本の国際競争力を高める人材を育成する上で、障害となっているものは何か。21世紀の教育が目指すべき方向は何か。

 本連載では、特色ある教育制度を取り入れている先進国の動向から、日本の教育改革の方向性を導き出す。

(前回の記事「入試なし。猫も杓子も大学、の逆を行くドイツ式教育」はこちら

日本の教育は「中途半端」

 図-19を見ていただきたい。OECD加盟国の15歳の生徒の学習到達度調査、PISA(Programme for International Student Assessment)の結果の推移を一覧にした表です。

 これを見ると、この10年間で日本の順位は大幅に下がっています。上位に国名が挙がっているのは、主にアジアか北欧のフィンランド、あとはカナダとニュージーランドですね。


拡大画像表示

 北欧と韓国では、この10~15年ほどの間に、教育制度が大きく変わりました。