日本海演習に爆撃機も=急襲能力誇示か-中国軍

沖縄本島と宮古島の間を飛行する中国軍のH6爆撃機(2014年撮影、資料写真)。(c)AFP/JOINT STAFF〔AFPBB News

 8月17~20日、中国海軍が日本海で軍事演習を実施した。演習の詳細は発表されていないが、2つの戦隊による対抗演習(想定敵戦隊と中国戦隊による実働戦闘訓練)を行った模様である。

 中国海軍はロシア海軍との各種合同訓練を日本海で実施したことはあるが、中国海軍単独での日本海における本格的軍事演習は今回が初めてである。

日本海で実施された中国海軍対抗演習

 8月12日に駆逐艦1隻、フリゲート1隻、それに補給艦1隻により編成された中国戦隊が東シナ海から太平洋に抜け出て北上した。同戦隊は8月14日、オホーツク海から宗谷海峡を横切って日本海へ進入した。そして8月16日、フリゲート2隻と補給艦からなる中国戦隊が対馬海峡を北上して日本海へと入った。

 この2つの戦隊が日本海での対抗演習を実施したレッド(仮想敵)戦隊とブルー(味方)戦隊である。人民解放軍による報道発表では、「この対抗演習は特定の国をターゲットにしていない」ことを強調しているが、海上自衛隊戦隊を仮想敵戦隊としていることには疑いの余地がない。

 引き続いて8月18日と8月19日には、それぞれ早期警戒機と爆撃機数機からなる航空部隊が対馬海峡上空を抜けて日本海の演習空域へ飛来し、また対馬海峡上空を経て東シナ海上空へ達し、中国本土へ帰投している。

小規模だが戦略的意義のある演習

 公海上で行われるこの種の海軍演習は、海上自衛隊や米海軍をはじめ世界中の海軍も行っている。そのため、中国海軍による対抗演習それ自体は何ら問題はない。