「JBpress ビジネスカレッジ」がお送りする連載企画「トレジャリー・マネジメント」の第2回は、トレジャリー・マネジメントの推進にあたって、企業はまず何から取り組むべきか、PwCあらた有限責任監査法人財務報告アドバイザリー部パートナーの福永健司氏が解説します。
第1回目「なぜ、いまトレジャリー・マネジメントが重要なのか」はこちら
財務報告アドバイザリー部 パートナー 福永 健司 氏
PwCあらた有限責任監査法人において事業会社向けコーポレート・トレジャリー、および銀行向けトランザクション・バンキングのアドバイザリー業務のリー ダーを務める。メガバンク(約17年)、ITベンダー(約2年)を経て現在に至る。トレジャリーおよびキャッシュ・マネジメント、トレジャリー・マネジメ ント・システム、インターネットバンキング、B2B/B2Cコマース、国際決済システム、FinTech、BPR、商業銀行の勘定系システム・海外事務、 商業銀行会計および信託銀行会計、リスク&コンプライアンス、金融当局対応等の分野で27年以上の経験を持つ。
4つの目的達成に向け、優先順位をつけて推進を
トレジャリー・マネジメントで達成すべき主な目的は、グローバルベースで、①財務リスクの最小化、②資金効率の最大化、③業務の効率化・高度化、④ガバナンスの強化を図っていくことです。
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トレジャリー・マネジメントの推進には、これら4つの目的すべてを達成する必要があり、いずれかが欠けても不十分です。とはいえ、企業によって考え方はさまざまですし、社内のリソースも限られています。
4つの目的に優先順位をつければ、何をなすべきかは自ずと見えてきます。
できることは限られている。問題は「やるか、やらないか」
トレジャリー・マネジメントをグローバルで推進していくにあたり、採用できるソリューションはそう多くありません。
第1回で紹介した6つのトレジャリー業務―「現金管理」「資金繰り管理」「運用・調達」「リスク管理」「支払」「回収」―それぞれについて適切なソリューションがあり、あとはそれらを「やるか、やらないか」というだけの問題です。