大半の米国人は人種問題に悲観的、世論調査

米ニューヨークで、黒人に対する警察の暴力行為に反対する運動「Black Lives Matter(黒人の命も大切)」を支持するデモをパトロールする警察官(2016年7月9日撮影)〔AFPBB News

「ブラック・ライブズ・マター」運動の発起人は女性作家

 「Black Lives Matter」(BLM=黒人の命も大切だ)という言葉が今米国で大流行している。

 平たく訳せば、「黒人は虫けら同然に殺されているが、俺たちにも一寸の魂はあるんだ」という黒人からのメッセージだ。使い始めたのは、ロサンゼルス在住の黒人女流作家のアリシャ・ガーザさん(35)。

 発端は、2012年フロリダ州で黒人少年を射殺した白人とラティーノの混血の自警団員が、2年後の裁判で無罪評決された事件だった。

 怒り心頭に発したガーザさんはフェイスブックに綴った。

 「黒人の同胞(はらから)よ。我、汝を愛す。我、黒人の同胞を愛す。わが同胞の命は貴重なり。Black Lives Matter(黒人の命、大切なり)」

 最後のBlack Lives Matterの一句はたちまちサイバースペースを駆け巡った。ガーザさんに共鳴し、運動の共同発起人に2人の女性作家が名乗りを上げた。

 全米各地に住む黒人の若者たちがネット上で、はせ参じた。

 大都市でしょっちゅう警官のお世話になっている男たちは待ってましたとばかりに思いのたけをぶちまけた。

<ポリ公や自警団の野郎は俺たち、黒人とみると、職務質問し、ちょっとでも逆らうと公務執行妨害で逮捕。手錠されても抵抗すれば、ピストルでこめかみを撃ち抜く>

<ポリ公を殺人容疑で逮捕しても、白人だらけの陪審員は「正当防衛だった」と無罪評決。俺たちはどうすりゃいいんだ。自分の身を守るにはポリ公と対決する以外に道はないんだ。白人警官が黒人を殺したら「リベンジ」(復讐)だ>

 折から、ルイジアナ州、ミネソタ州で黒人青年が相次いで白人警官に射殺される事件が起こった。BLM運動は燎原の火のごとく全米に広がっていく。ネットから飛び出して黒人たちは街に出てデモや集会を始める。

 「これ(BLM)は俺たちの黒人原理運動だ。やられたらやり返す。白人警官射殺は俺たちの『ジハード』(聖戦)だ」

 そんな過激なツィートをする者まで現れた。