米軍、地対空誘導弾パトリオットを韓国に追加配備

韓国・烏山空軍基地で公開された地対空誘導弾パトリオットPAC3の発射機(写真右奥、2006年10月14日撮影、資料写真)。(c)AFP/JUNG YEON-JE〔AFPBB News

 来る5月末、伊勢志摩サミット開催の後にオバマ米大統領が被爆地・ヒロシマを訪問することが決まったという。実現すれば米大統領として初めてのヒロシマ訪問である。

 北朝鮮の核実験で朝鮮半島の緊張が高まり、かつNPT(核不拡散条約)体制下で核兵器保有を公式に認められている米露英仏中の5カ国のうち、唯一中国だけが核軍縮の世界的潮流に逆らい核戦力の拡充に努めているという北東アジアの現実に鑑みて、オバマ大統領のヒロシマ訪問は中国、北朝鮮に対するアイロニカルなメッセージとなるかもしれない。

 とはいえ、ヒロシマへの原爆投下についての米国人の心情は複雑だ。非戦闘員である一般市民を大量虐殺した原爆投下は、国際法に照らしても正当化しうるものではない。それを米国は、「太平洋戦争を早期に終結させ、日本への本土上陸作戦を実施した場合に生じたであろう日米双方の人的犠牲を回避することができた」というロジックで正当化してきた。

 はたしてオバマ大統領はヒロシマ訪問で同じロジックを繰り返すのだろうか。それとも、原爆投下に伴う多大な犠牲者への道義的責任に言及するのだろうか。いずれにせよ、米国の「良心」が問われることになる。

北朝鮮の核兵器開発を許したオバマ政権の「無為無策」

 2009年9月、就任1年目のオバマ大統領は、プラハで「核なき世界の実現」を希求する演説を行い、その意思への期待からノーベル平和賞が授与された。しかし、その期待は現在までのところ何ら成果を伴っていないと言ってよいだろう。

 もちろん、2015年7月、イランの核開発を制限する合意が形成され、イランに対する制裁解除ができたことを成果とすることは可能かもしれない。しかし、その合意がイランの核開発に完全な歯止めをかけるものとなっていないのは事実であり、将来的にこの合意がイランの核武装を完全に防ぐ保障にはなりえない。