「数週間前からあった不吉な噂、実際の発射、国連の緊急会議、それでも何も行わない」――北朝鮮のミサイル発射への米国政府や国連の対応を、米国大手紙がこう評した。
2月7日の北朝鮮による事実上の長距離弾道ミサイル発射に対するオバマ政権の反応を批判的に取り上げた論評である。事実、ワシントンでは、オバマ政権が確固たる対応をしないことへの失望感と諦め、批判が広がっている。
この社説はウォール・ストリート・ジャーナル2月8日付に「中国の北朝鮮に関する後退」という見出しで掲載された。
北朝鮮が、国連安保理決議やその他の国際合意に違反して、核兵器開発のための核爆発実験や中・長距離弾道ミサイル開発のための「衛星打ち上げ」を断行した。しかしオバマ政権は言葉の上で厳しく非難し、国連安保理に提訴するだけで、米国独自の強硬な制裁措置などを取らず、結局その結果は「無(Nothing)」だというのである。
同社説は、北朝鮮の挑戦的な行為へのオバマ政権の対応は、こうした形が「パターン」として定着しており、不毛だと非難する。
そして、その不毛を生み出す大きな原因は、北朝鮮への制裁措置をとるにあたり、オバマ政権がいつも中国に依存しているからだ、とも指摘していた。