米学生に人気の留学先はロンドン、グーグル検索結果で判明

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 前回は、大学に入っても本当に全く勉強する気がないというケースを取り上げました。

 昔は非常勤などでいくつかほかの学校にも登壇したことがあり、その中には本当に向学心に燃えた学生もありましたが、最初から全くやる気がないという人も明確に存在していました。

 注意すべきは、偏差値の高低などとはあまり関係ないのです。私学の雄というべき名門から、新設校でいまだ偏差値の値が出ない大学まで、やる気のある学生しっかりいますし、全くない学生もはっきり存在する。

 しかし今回は、それと別のタイプの傾向を考えてみたいと思います。

 私が主に教えてきた大学、教籍のある東京大学をはじめ、東京芸術大学、慶応義塾大学などでは、学校で勉強したいと思う学生の割合は決して低くないのです。

 しかし、はっきり思いますが、英国のケンブリッジとかオックスフォードといった世界トップの大学、あるいはベルリン芸大、パリ音楽院といったトップ芸術教育機関と比較すると、焦点がぼけている、と言うより焦点不在のことも少なくない。

 むしろ日本の次世代人材育成という観点からは、こちらのトップエンドのなまくらさの方が、はるかに深刻なのではないか、と実は思っています。

 特に東京大学の現状は深刻と認識しています。

 端的に言うと、プロ意識をほとんど育てられていない。東大○○学部を卒業した、といって、その道のトップエキスパートの卵である、という自他共に認める意識、自覚のある学生は、各学年数パーセントもいないのではないでしょうか。

 むしろアマチュア、ないし素人の意識が強いのではないか、という、これは私自身の30年前の経験も含めて、率直に反省として検討してみたいと思うのです。