海外のメディアや通信社の報道によると、米アップルはインドで直営店を開設すべく、同国当局に認可申請を行ったという。
同社はインドにおける直営店の詳細について明らかにしていないが、同社の広報担当者が英フィナンシャル・タイムズの取材に応じ、インド商工省(Ministry of Commerce and Industry)の産業政策・振興局(Department of Industrial Policy and Promotion:DIPP)に申請書を出したことを認めたという。
インドにアップル直営店がない理由
アップルは現在、インドの地場流通業者や小売店の協力を得て製品を販売している。今回の申請が承認されれば、同社は初めて同国で自社単独の小売店を開設することができると、フィナンシャル・タイムズは伝えている。
英ロイター通信によると、昨年10月時点でアップルは世界18カ国・地域で約450の店舗を運営していた。このうち中国には25店舗あり、ほぼ1カ月に1店のペースでその店舗数を増やしているという。
しかしインドには日本や米国にあるような直営店「アップルストア」が1つもない。というのも同国では小売業の外資規制があるからだ。
「アップルストア」のような店舗はインドでは「シングルブランド・リテール」に分類され、規制により約30%の製品、部品をインド企業から調達しなければならない。
ところがアップルの製品は大半が中国で製造され、部品も中国などインド以外の国で作られている。
そこで、同社はインドの大手・中堅小売業者と提携し、「アップル・プレミアム・リセラーズ」というフランチャイズ方式でアップル専門店を展開したり、地場小売店の中に「アップル・ショップ」というコーナーを設け、小売り事業を展開している。
ただし、これらの事業主体はあくまでもインド企業で、アップルは製品を輸入して卸すという役割に徹している。