米アップルがインドのフランチャイズ店舗を今後2年間で今の3倍に増やすという計画を立てていると、インドの経済紙、エコノミック・タイムズが伝えている。

 同社がインドでの販売を強化するという報道はこれまでもあったが、今回のエコノミック・タイムズの記事はより具体的だ。これによると先月、アップルの欧州・中東・インド・アフリカ地域販売担当副社長がムンバイを訪問、フランチャイズ加盟業者などと会談し、この計画を伝えたという。

 アップルは現在インドでフランチャイズ加盟業者17社による、約65店舗を展開している。これを200店近くにまで増やす計画だと、エコノミック・タイムズは加盟業者の話として伝えている。

アップル流の店舗、費用はアップルが負担

世界最安タブレットに注文殺到、2週間で140万台 インド

インドで昨年発売された超低価格のタブレット端末「アーカッシュ」〔AFPBB News

 アップルは米国や日本をはじめとする世界各国で直営店「アップルストア」を展開している。しかしインドにはそれが1店舗もない。

 アップルのような外資企業でもインドで小売事業を始めることは可能。

 ただし、エコノミック・タイムズによると、同国では“アップル”のように単一のブランドを持つ企業は、販売する製品のうち30%の製品や部品をインド企業から調達しなければならない。ところがアップル製品は大半が中国で作られ、中の部品も中国製。インドでは製造を行っていない。

 これが同社のインドでの直営店展開を阻んでいる理由だ。そこでアップルは同国の大手・中堅小売業者と提携し、「アップル・プレミアム・リセラーズ」というフランチャイズ方式で、アップル専門店を展開している。

 小売りの事業主体はあくまでも地元企業、アップルは製品を輸入して卸すのみという役割にとどまり、同国の規制を回避しているというわけだ。

 ただし、同社はフランチャイズ本部として振る舞い、店舗の設計から、店内レイアウト、各種の器具に至るまで、あらゆることを指示している。米国の店舗などで使われているガラス製の装飾をはじめ、様々な部材をアップルの要望通り調達させている。