ナチス犠牲者の遺体サンプル、フランスの法医学機関で見つかる

日本がドイツに学ぶべき点とは? 仏クローネンブルグのユダヤ人墓地で、ナチスの犠牲になった86人のユダヤ人の名前を記した記念碑を除幕する地元の首長(2005年12月11日撮影、資料写真)。(c)AFP/ILAN GARZONE〔AFPBB News

 8月14日に発表された安倍総理談話の内容と意義について、改めて評価してみたいと思います。

 今回の談話は、首相が周囲の様々な主張・内容を聞いた上で最大公約数をバランスよくまとめた点が各方面から評価されています。また、主に中国などからの居留民の帰還、中国残留孤児を扶育してくれたことへの感謝、米英豪の捕虜との和解といった、旧敵国の寛容さに感謝している点、さらに戦時中に「深く名誉と尊厳を傷つけられた女性たち」がいたことに言及している点も特筆に値するでしょう。

 加えて筆者としては、さらに評価したい点が2つあります。以下ではその点について解説し、同時に今後の課題についても考えてみたいと思います。

「戦後レジーム」から脱却するのではなく、肯定

 第1に、安部首相が戦後の秩序をリアリストとして肯定し、戦前に回帰するものではないという姿勢を明確に打ち出した点です。

 安倍首相は談話発表前の午前中に山口県にある父親の墓参りをしています。その際に、安倍首相は、「(父親の安倍晋太郎は、)海軍航空隊の一員として訓練する中で終戦を迎え、生き残った者の務めとして、平和で民主的で自由な日本を作り上げてきた。父の遺志をしっかり受け継ぐ」とコメントをしています。これは「戦後レジームを作った父の意志を継承する」と宣言したに等しいものです。これは、外交的に非常に重要なメッセージです。