安保法案、衆院特別委で可決 自衛隊の役割拡大定める

衆議院平和安全法制特別委員会で、野党議員の質疑に答えるために挙手する自民党の安倍晋三首相(2015年7月15日撮影、資料写真)。(c)AFP/Yoshikazu TSUNO〔AFPBB News

 最近、日本人は本当に面倒くさい民族だなと感じている。先週は毎日のように、戦後70年談話にどういう文言が盛り込まれるかという話題ばかりだった。おまけに、中国と韓国がそれに対してどう抗議してくるのか、という憶測まであった。

 そもそも、なぜ新たな談話を作る必要があったのだろうか。日本政府は村山談話のほかに河野談話や小泉談話も発表している。安倍首相は「未来志向」という言葉が好きなようだが、このタイミングで70年談話を作る必要性は一体どこにあったのだろうか。

 東アジアの不幸は、まさに未来志向になれないところにある。だが、安倍首相はこれまでの政府談話では満足できなかったようだ。だとすれば、安倍首相は「村山談話を踏襲する」と言うのではなく、「村山談話を踏襲せず、新たな安倍談話を作る」と明言すべきであった。

 安倍政権の政治についてコメントすれば、脱デフレを目指したアベノミクスについてはそれなりの評価をしてもいい。しかし、70年談話を発表する意図は結局不明瞭だし、安保関連法案については、正直言って姑息で中途半端と言わざるを得ない。

 筆者の専門ではないが、素人の立場から見ても、憲法を改正せず解釈を変えるだけで集団的自衛権を認めようとするやり方には無理がある。それは、中国や北朝鮮が日本に脅威を与えているかどうかとは別問題である。